【番外編】11月定例G.R. 上級班
第1章 邂逅
11月のらくりん定例G.R.上級班は、朝冷えのする午前7時にひめぎんホールに集合しました。
メンバーはらくりんリーダーNyuさん、クライマーのイワちゃんにノンノンさん、私KenGoに、上級に初チャレンジのシムさんという5名。
シムさんは初めての上級参加で動転していたのか、メンバーに向かって「初めまして!」という意味不明の挨拶を繰り返し、みんなの笑いを誘います。
さすがムードメーカー・シムさん♪
もう1年も前からみんな仲間だよ(笑)
メンバーが揃ったところで簡単に本日のコースを説明しますが、みなさんこのあたりの地理に不案内なようなので、私がしばらく先導することに。
一発目のヒルクライムは、伊台、五明を駆け上がり、粟井小学校の横に降りてくるコースです。
Nyuさん、イワちゃんという「らくりん」のダブルエースの前を牽くというおかしな順番ですが、とにかく五明に向けて登り始めました...
まあ、二人とも途中からはコースを思い出したようで、最後はカッ飛んでいきましたが...^^;
ひとつめのショートヒルクライムを終え、粟井へダウンヒル。
美しい北条の海を横目にしばらく北上。
本日2つ目のヒルクライム、北条から玉川に抜ける「笹ヶ峠」のコースへと舵を切ります。
「ここはトレイン組んで巡航で上っていきましょう」とNyuさんの提案。
そうしましょう、とのことでおしゃべりしながら淡々と「ペース」でクライムしていきます。
しばらく上っていると、一台のロードバイクが点滅させるテールライトの煌めきが、私たちの視界に飛び込んできました。
黒いジャージの乗り手が操るそのバイクは、時折カーブの向こうに消え、また視界が開けると私たちの前に現れます。
まだ距離は離れています。
150m、いや200mは前方でしょうか...
その存在に気がついた私たちは会話を交わします。
「...前に一人いますね」
「...そうだねー。誰だろう?知り合いかなー」
のんびりとした口調とは裏腹に、先頭を行くリーダーの体がほんのりと「闘争本能」というオーラを纏い始めたように見えました。
黒ジャージのローディーさんも結構いいペースで上っています。
こちらもトレイン組んで、巡航速度で上がっているので距離はあまり縮まりません。
しばらくすると黒ジャージの乗り手は時折後ろを振り返り、ダンシングを交えて速度を上げるようになりました。
「...結構後ろを気にしてますねー」
「そうですね。ダンシングで逃げてる感じにも見えますねー」
そのような会話をNyuさんとしていると、後ろにいたイワちゃんが私たちの横まで上がってきて、
「前の人、めっちゃ後ろを振り返ってますねー」
何かを期待するように、ニコニコしながら話しかけてきます。
うーん、どうするNyuさん?
上級初参加のシムさんもいることだし、これ以上強度を上げると後ろが千切れるかも。
ここは静観。
Nyuさん先頭のトレインはそれまでのペースを守って巡航、巡航.....
って...んっ?
Nyuさん、ちょっとペースが上がってやしませんか?
Nyu「いやー、やっぱり前にローディーが見えちゃうと本能的に追っちゃいますよねー」
私「しゃーないですねー。自転車乗りの本能ですから(笑)」
ジリジリと、前を行く黒ジャージさんに気取られないようにペースを上げていきます。
しかし先行する黒ジャージさんも頻繁に後ろを振り返りながらペースを上げるので、思ったほど距離が詰まりません。
かなりの剛脚さんですね...
「誰かなー?」
「誰でしょうね?あまり見覚えがない乗り方なので、知ってる人ではないっぽいですねー」
このころには結構ペースが上がっていたので、トレインの後ろは千切れていたはず...^^;
すると、辛抱たまらんという感じで、後ろからイワちゃんが再度顔を出します。
イワちゃん「どうします?行きます?o(^^o)(o^^)oワクワク」
私「どうする?行くの?」
イワちゃん「うーん、でも残りの距離がイマイチ分からないんですよねー」
私「たぶん残り3分の1ぐらいかな...たぶんですよー」
Nyuさん「3分の1か...よーし、行きますか!」
3人とも同じタイミングでペダルを踏み込む力を一斉にあげ、ズンッと出力をあげます。
クライミング速度がみるみる上がります。
黒ジャージのローディーさんも後方からの殺気を感じたのか、後ろを振り返るとふたたび泳ぐような華麗なダンシングで速度を上げます。
(黒ジャージさん、綺麗なペダリングだなー。まるで自転車の上で踊ってるみたいだ...)
らくりんのエース二人が猛然と襲いかかりますが、なかなか捕まりません...
ジリジリと時間が過ぎ、ようやくのことで追いつきます。
黒ジャージさんは右手を下ろし、後方から前方に何度か手を振り、先に行くように促します。
が、追いついたイワちゃんもそこからなかなか前に出れません...
(本当に速いな、黒ジャージさん...)
私はその頃にはとうとうパワーが枯渇して千切れかけ、その場面を10m~20m後ろで見るのが精一杯です。
そのまま3人は渾然一体となって峠に向かって駆け上がっていきました...
・・・・・・・・・・・・・・・・・
今治市との市境の看板を超えて少し下ったところで、Nyuさんとイワちゃん、そして黒ジャージさんの3人がバイクから降りて後続を待っていました。
んっ?!
黒ジャージさんがアウターを脱いで白ジャージさんになってました(笑)
背中には地元の有名チームのかっこいいロゴが...
白ジャージさん(元黒ジャージさんw)は剛脚集団・Sレーシング所属のYさんという方でした。
どうりで速いと思った...^^;
私「Yさん、後ろを何度も振り返ってましたよね^^」
Yさん「そうなんですよ!振り返ったら赤ジャージの人たちが見えたので、ヤバイ!らくりん軍団だ!と思って必死で逃げてたんですよ(笑)」
私「あれ?らくりんってバレてました?」
Yさん「分かりますよ!その赤いジャージwww」
私とYさんとは初対面でしたが、Nyuさんは初めましてではない様子。
私「Nyuさん、お知り合いなんですか?」
聞けば、11月上旬に開催された山ハーフの最後の区間で、ヒロさんと一緒にSレーシングの人とローテを回して激走したらしいのですが、その時の方がYさんだったらしいのです。
いやー、楽しい縁ですね〜。
しかし、Nyuさんヒロさんの二人とローテを回してたってことは、相当な剛脚さんですね。
どおりで...^^;
ひとしきりYさんを交えて談笑をした後、松山に引き返すYさんと別れました。
Yさんも気さくで、本当に楽しいローディーでした^^
走れば必ず仲間に会う。
偶然一緒に走った者同士でも、お互い声を掛け合い知り合いになる。
自転車はなかなか得難い体験を、毎回私にもたらしてくれます。
これだから、自転車に乗ることを止めらません^^
P.S. 山ハーフではドラマチックな出来事にたくさん遭遇しました^^ その中にはSレーシングの別なお二人との話もあります。終盤、がんちゃんから千切れた私が単騎で彷徨っていた時、後方から進軍ラッパを鳴らしながら援軍が登場したのです。今治の戦闘集団SSRのメンバー、Kムラさんが率いるトレインが颯爽と現れ、「KenGoさん、速かったねー!良かったらトレインに乗って行ってー!」と大声で声をかけてくれたのです。シンドイ時に親しい人に会えたことと、明るいKムラさんの声援に私も息を吹き返し、そのトレインの最後尾に飛び乗りました。そのときKムラさんはSレーシングのお二人とトレインを組んでいたのです。結局私はそのトレインでは1回先頭を牽いただけで再びパワーダウン... Sレーシングの方に、「もうムリっす!千切れます!」と声をかけて墜ちていきました...^^;
山ハーフでは文字通り山ほど(笑)面白いエピソードがあるのですが、それはまた別の機会に...
(笹ヶ峠ヒルクライムの後 シムさんと上級班メンバー)
(KenGO)
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